旅とか人生とかって実はシナリオ通り なんじゃねぇのかなぁ?『 青い空が見えぬのなら青い傘広げて 』 ペナン〜タイ入国
よく眠った。
今日は移動するかなぁ?
それともここにもう1泊になるのかなぁ?わかんない。
弁慶民宿での日々、おもしろいなぁ。
酒も高くて、なぁーんもないマレーシア。
初めての海外一人旅のときもこの国を一周した。
おもしろい国やなぁ。
この部屋、トタン屋根でエアコンもTVもなぁ〜んもない。
日中は屋根から壁からものすごい熱気を発するこの部屋が愛しく思えてくるから、不思議なもんや。
洗濯をして、パッキングをしていつでもどこにでも行けるようにする。
11 時半に山本夫妻が日産の革張りシートの車で迎えに来て下さった。
途中、風間さんという女性とも合流して、5人でランチ。
ホテルの中のレストランのビュッフェ。
中華粥とフルーツを食べた。
山本さんの自宅に案内してもらい、プール、ジム、オーシャンビュー
の素敵な部屋をみせてもらった。
日本人の新しいシニアライフ、夫婦でゴルフ三昧、豊かなお金の使い方・・・山本さんは体格通り、豊かな人だ。
宿まで送ってもらうと17 時、今夜の宿泊も弁慶に決定。
移動は明日の朝になった。
おいしい食事、素敵な景色、豊富な話題、ありがとうございます。
旅の面白さは、やっぱり出会うことやなぁって思った。
マレーシアリンギットの手持ちがないので、千円分だけ両替する。
ネットカフェでメールをした後、またビーチに夕陽を観に行く。
ビールを買ってきて、隣のアツコさんのエアコン部屋で飲む。
ひじきの煮物、切干大根を作ってもらった。
日本から持ってきた大切な食材。
チョーうまい!!
日本食は久しぶりで感動的。
やっぱ美味いなぁ、ありがとう。
宇多田ヒカル、EXILLEのMDを掛けてもらいながら、また朝ま
で話す。
いろんな出会いがあるけどさ、旅とか人生とかって実はシナリオ通り
なんじゃねぇのかなぁ?
寸分もそのシナリオから抜け出れないんじゃねぇのかなぁ?
でも、その筋書きを作ってるのって誰?
自分かもしれない。
自分で作った筋書きだから、出れねぇんでないかなぁ?
旅用の携帯スピーカーから宇多田が流れる。
『 青い空が見えぬのなら青い傘広げて 』
25 日
日本時間で午前8時にセットしたアラームの音で目覚める。
外は雨が降ってる。
日本を出て何ヶ月か?
まだ時差が1時間の国にいるなんて・・・。
いつの間にか悩んだり、困ったりしている人を見つけて、「なんとかし
てあげるべき人」を作る。
そんな自分の癖がよく見えた。
福祉施設に勤務してるときのダメなモノの見方だ。
なんとかしてあげなければいけん人なんて、どこにもおらん。
かわいそうな人もおらんし、可愛そうな人もおらん。大きなお世話でした。
反省!
深呼吸する。自分は自分。
内も外もない。そのままこのまま、動かされるまま、動くまま。
アツコさんが旅のお守りにとテルテル坊主をくれた。
バス停まで見送ってくれた。
今日、出発なのは正解だ。早くも遅くもないね。
途中、視覚障害者の娘を連れた母親がバスに乗ってきた。
斜め前に座っていた、腕にタトゥーのある厳つい白人がさっと娘に席を譲った。
決して満席ではなく、後ろに行けば席は空いてるが、昇降口から近い
席がいいはずだ。
しかも2人は並んで座った方がええはずだ。
しゃーないから同じく席を譲った。
これで並んで母娘が座れる。
タトゥーのおっさんがこっちを見て、ニコリと笑った。
フェリーに乗り、対岸のバタワースへ。
駅前の屋台でカレーを食べた。
めっちゃうまい。
14:20発 バンコク行きの国際列車に乗る。
隣は日本人の女の子、大学生2人組。
マレーシアの通貨リンギットはさっきのカレー屋さんで使い切ってしまったので、何も食べられないでいたところ、スナック菓子を恵んでもらった。
ありがたい、ありがたい。
列車に揺られながら、旅の話を延々とする。
荷物の中から太鼓、口琴、シンギングボールを取り出して、即興の演奏会になる。
バックパックの旅での出会い。
国境も難なく通過する。
タイ入国。