風太郎 『波戸岬に立って』 上関原発計画のある田ノ浦にて
風太郎 『波戸岬に立って』@第4回田ノ浦ギャザリング
山口県熊毛郡上関町、原発計画のある田ノ浦での『田ノ浦ギャザリング』
熊本から風太郎。
3.11直後の田ノ浦ギャザリングでの風太郎の歌は、聴く者の心に響いた。
2011年3月20日、第4回田ノ浦ギャザリングにて。
立ち入り禁止の鉄条網に
空しい風が吹き抜ける
ここは崖っぷち
行き止まりの
波戸岬に立って
玄海に沈む夕日と
風上にある
発電所を眺めていた
発電所を眺めていた
わがままな王様は
家来や子分や奴隷やイエスマンに囲まれて
都合が悪いときには
お城から出てこない
ローマ神話の暗黒の大王
世界を暗黒で覆いつくす
大きな帽子を持つという
恐怖の大王
その名もプルートが
便利で快適な生活の
裏口の戸を叩くよ
タンポポが
タンポポの群れが
1メートル以上も背が伸びた
タンポポがいっぱい
風に揺れていた
風に揺れていた
波戸岬に立って
玄海に沈む夕日と
風上にある発電所を眺めていた
原発を眺めていた
原子力発電工場を眺めていた
福島
福島原発の大事故を起こしたのは誰なのか
福島原発の大事故を起こしたのは私たちなのだ
私たちの無知
核平和利用のまやかし
人の生死についての無関心
自分のことで精一杯と他人事にして
大事故が起こらないと分からない想像力の貧困さ
広島と長崎で終わりにしなければいけなかったのだ
あぁ、子どもたちよ
馬鹿な大人たちでごめんなさい
私はひれ伏し祈る
ウランよ
どうかお静まりください
応えは、この看板の設置だった。
また上関町に行って、まだこの看板があるのかどうか見てみたい。