友人からのメール  『蟹工船』

友人からのメール

以下、転載。






昨日は小中の同級生に久々に会いました。夜は虫の声だけが響く農村で、彼は1人で売れない陶芸を頑固に焼き続けながら小さな命を育てています。そこにはお嫁さん自らが大企業の工場に非正規で通っている努力があります。

「このままじゃそのうち日本の神様が怒るぞ!」

と言う幼なじみに私は咄嗟に言い返していました。

「とっくに怒っているじゃないか!私は神様がいるかどうかは知らないけれど、もしこの島に神様がいたら言いたいことはわかる。なんでダムには雨が降らないんだよ?なんで桜島が爆発を強めているんだよ?なんで福島から出た放射能が真っ直ぐ南下して東海村・大洗あたりから内陸に入って来て、東京の中心を目指して真っ直ぐ向かって行くんだよ? その後米軍基地の真上を通って浜岡に向かって行った、この現実を客観的にどう考えればいいんだ? 放射能関東平野に9の字を描いた事実をどう受け止めればいい? 明らかに日本の神様は怒っているとしか思えないよ。」


オルタナティブ。正に山の頂きに降った雨がどちらに流れるかが決まる時代に私たちは生きています。


「裸足のゲン」を子どもたちになるべく見せないように行政が動き始めました。そして若い右翼たちが「勝った、勝った」と嬉しそうにネットの中で騒いでいるそうです。


でも、勝った負けた、なんてもううんざり。もう子どもじゃ無いんだから。


今までの時代は確かに「勝ち負け」で決まって来たのだから仕方ないところもあると思いますが、それでは結局「全員が幸せになる」という人類究極の夢を実現できないことはハッキリしてきたと思います。「一国一城の主になれ」「鶏口牛後」といった自尊心に刺激を与えて能力を発揮させるやり方なんて、どうせどっかの金持ちや政治家が言いふらしたものだととっくにわかっているよね〜。 1人1人の競争心を煽るだけの教育なんてかなり時代遅れです。

それを一番わかっているのは「引きこもり」や「ニート」と呼ばれる人たちかもしれません。未来に良い仕事ならば多少の我慢をする甲斐がありますが、なんで誰かが大金儲けしてバカ笑いするための協力に命をかけなくちゃならないの?私はそれなりに生きて行ければいいし、誰かの富を強引に奪ってまでいい思いなんかしたくない。


「わかってねぇなぁ…。俺たちみんな歯車なんだよ…。」


4年前に新しく作られた「蟹工船」をDVDで観ました。すごい! 絶望の中の若い人間の可能性が若い言葉で描かれています。笑えるシーンもけっこうあり、決して暗い映画ではありませんでした。松田龍平などの若く格好いい俳優たちが本気の演技を見せてくれました。


拡散大歓迎!


大山嘉夫 houkaibou@softbank.ne.jp