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新春インタビュー
原発は「権力犯罪」 全て廃炉にする転機の年に
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章さん
「地域と人権」 2014年1月15日

福島第一原子力発電所の事故は、原発を推進してきた歴代自民党政権に最大の責任があります。今も10万を超える人々が故郷を追われ、1000万人近くが、「放射線管理区域」とも言うべき汚染地域に住まわされています。

 しかも、これほどの大事故を起こしながら、歴代自民党政権のトップは誰一人責任を取っていません。

 町工場が毒物を垂れ流したらどうなりますか?経営者は罪に問われ、営業は続けられなくなるでしょう。

 原発事故でそうならないのは、「権力犯罪」だからです。

 事故を起こしても責任が問われないとなると、他の原発の安全対策に悪影響を及ぼします。まずは東電を倒産させ、安倍首相をはじめとする歴代自民党政権関係者や、歴代東電役員たちの刑事責任を問うべきだと私は思います。


いまだ原因分からず

 安倍政権は「安全性を確認した原発から再稼働する」と言っています。日本中の原発が停止しても電力供給に何ら支障がないことが証明されたにもかかわらずです。

 政府、民間、東電、国会の4つの事故調査機関が報告書を出しましたが、事故原因は今も分かっていません。

 私は、津波ではなく、地震の揺れが原因で原子炉が壊れたと見ていますが、現場は人間が立ち入れないため、どの見方も検証できないのが現状です。

 原因が分からないのに、どのようにして事故防止対策を立てるというのでしょうか。さらに、原発を輸出するとも言っています。正気の沙汰とは思えません。

原発は未来犯罪でもある


 私の立場は「反原発」です。原子力の研究者として原発反対の声を上げ始めた1970年当時から、国は電力産業、マスメディアと一体になって、原発に反対する住民の運動を抹殺しようとしてきました。そうした巨大な力に対し、住民とともに抵抗しようと考えたことが原点です。

 原発の推進は権力犯罪であり、未来への犯罪です。運転で生じる「死の灰」は今後何百万年間も閉じ込め管理する義務を生じさせます。何の選択権も持たない未来の人々に危害を押し付ける愚行は、これ以上続けるべきではありません。