自宅の周囲に監視カメラを設置して、それをインターネット経由のスマホで見ることができるようにして、「これで世界中から我が家を見ることができるんだ」と誇らしげに語る人に会ったことがある。
山口県庁の建物のデザイン、よく見てみると面白い。
そぎ落としてそぎ落として、鋭敏になった何かの塊のようだ。
柱の影から、黒いコートを身にまとったキアヌ・リーブスが機関銃を持って出現しそうな。
けれども、自分が居て落ち着く場所はそれとは対極の木造家屋。
路地裏の赤提灯。
それぞれが違う顔を見せてくれる建物は面白い。
美観を損なうから壊す。
そういう見方もあるのかも。
けれども、残せば美観地区になったりしてね。
残し方も色々。
古いお寺だった。
本堂に気軽に入れるお寺だった。
大規模改修で、ボロ障子の建具が茶色のアルミサッシになり、アルソックの監視カメラが設置された。
そういえば、自宅の周囲に監視カメラを設置して、それをインターネット経由のスマホで見ることができるようにして、「これで世界中から我が家を見ることができるんだよ」と誇らしげに語る人に会ったことがある。
それ、見てうれしいか?楽しいか?と聞くことはできなかった。
人はそれぞれだ。
趣味は多様だ。
それはそれでいいと思う。
旅先から誰も居ない自宅を監視するか、
自宅で外から見た自宅を監視するか、
スマホで。
禅の公案のようだ。
見られたいのか、見たいのか、見られたいのは誰で、見たいのは何だ?
南無釈迦牟尼仏