自宅に居ながら、旅気分が味わえて面白いって言い換えてみるかな。

旅先ではよく痛い目に遭った。

初めての海外で、マレー半島をぐるりと周り、何のトラブルもなくシンガポールに戻り、ちょっとついでのつもりで行ったタイでは相当ボッタくられた。

今、思い返せば強く「NO !」とか「もうちょっとマケテくれ!」とか言えば、それはそれで何とかなった場面なのかもしれない。きちんと主張しなければいけない時には、そうしないと思わぬ状況になると学んだ。手放しの解放と無意識の自由は別だ。

 

旅慣れたつもりで、初めて行った白人のエリア、ロンドンでは着いてすぐに入った飲み屋でボラれた。

今、思い起こせば日本からやってきた超田舎者がそんな店に入ること自体が間違っている。居るべき場所を間違うと、トンデモないことになる。その感覚は磨いて、心の声を聴かなければいけない。

中国では、日本人の旅行者が何人か集まることがあり、大人数で飲みに行くことになった。案の定、誰もが気が大きくなり、ボラれた。誰かが何とかしてくれるだろうという幻想は捨てなければいけないと学んだ。本気で危ない場面に出会うと、なぜか笑ってしまうことも分かった。

 

久しぶりに、実生活上で旅先でのやりとりに似たイザコザに出遭う。

インターネット上の取引で、インド人クラスのあのベタァ~としたイヤラシサを伴うイベントに遭遇する。

一日の中で今のそのことを思うだけで、背中の肩甲骨の横の筋肉が萎縮して、リラックスを要求する。

もうそんなことは、あっさり忘れて、『お金をドブに捨てたけど、勉強になった』と思えばいい・・・っていうことは分かってるんだけど、頭にくるんだなー。

 

ロンドンの地下の飲み屋でボラレたときに、悔しくてお店に引き返して「思い出に写真を撮らせてよ」ってやったときくらいのことで決着したいなぁ。

 

ヤフオクで、TVを買った。

自宅用ではなく、離れて住む娘用に。

まぁ、この時に安いのを買おうというナンカよくない意識がそういうのを引き寄せちゃったのかなぁ。

娘のところに届きました、ハイ、『ヤフー簡単決済』

振り込みましたけど、商品は届きませんっていう事態はこれで回避できるシステム。

けれど、「届きました連絡」をする前に、ちゃんと機能するかどうかは確かめないといけんですね。

勉強になりました。

送ってきたTVは、しばらくは映るものの数分で故障赤ランプが点灯して映らなくなる。

返品のお願いをしてみたら、引き取りに応じてくれた。

あ、大丈夫かなと思ったら、「付属品のネジ4本がありません」

あれ?

娘曰く、「最初から入ってなくて、これはホームセンターで買うしかないのかなと思った」と。

ネジは同梱されていませんでしたとの旨を伝えてみても、「確実に入れております」と。

TVを生産した会社のサービスに連絡をして、同様の品を送れとのこと。

ん~なかなか難しいところまで行くなぁ。

『返品も返金も、もう面倒臭いからいいです・・・』って言うのを待ってまーす、というストーリーになるわけだなぁ。

 

久々にインドのデリーの胡散臭いツーリストインフォメーションのおっさんに、ウダウダ、あぁだこうだ言われてる気分。

 

自宅に居ながら、旅気分が味わえて面白いって言い換えてみるかな。

 

 

そういえばベトナムでは1ドルでキッチンの床に寝た。 あれに比べれば天国だ。 ミャンマー ヤンゴン

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7日

 AMからシュエダゴォンパゴダに行く。

関西の芸大の2人と恵美ちゃんと。

 帰ってシャン料理の店で昼飯。

街には意外にもインド人が多いのに驚く。

そういえばこの国の隣はバングラディシュで、バングラは元々インドだもんな。

 歩いてネットカフェを探す。

 驚いたことに、Yahoo ! Hotmail がアクセス不能だ。

この国全体でこういう状況らしい。マジか??!!

 さすが鎖国状態の国。

 軍部が政権を握り、民主化を推し進めようとするアウンサンスーチー
女史を軟禁・・・。

 ネットもつながらん。

 なんでか分からんが、infoseek だけはつながるようで、アカウントを作ってメールを送った。

 夜は、トウキョウゲストハウスに泊まってる日本人9人でゲームセン
ターに行く。

ミャンマーの首都ヤンゴンのゲームセンターは客よりも従業員の方が多い。

 しかも従業員はみんな子供だ。

 コインを投入しようとすると、こちらがやりますからと、コインを入
れてくれる。

笑顔で手取り足取り、ゲームの操作方法を教えてくれる。

 ありがとう。

 でも、分かりますよ、やり方。

 広い店内にあるゲーム機は全て日本の中古だし、説明書きも全て日本
語のまんまだもん。

 

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 8日

 ヤンゴンの宿、トウキョウゲストハウスの食堂の本棚の陰。

そこに置かれたベッドが僕の居場所であり、僕の寝床。

 1泊3ドルだから、こんなもの。いえいえ、かなり満足している。

そういえばベトナムでは1ドルでキッチンの床に寝た。

あれに比べれば天国だ。

 何せ朝ごはん付ですからね。

しかも選ぶことができます。

ラーメンかお粥。

 「朝ごはんは、どっち?」マネージャーのチョウチョウさんが聞く。

 試しに「両方!」って言ってみたら、2つ作ってくれた。

本棚の上のCDラジカセにカオサンの屋台で買ったコピーCDでジャニスジョプリンを聴く。

 外は豪雨。名曲サマータイムを聴きながら、群よう子の本なんぞを読
む。

 シャワーを浴びて、洗濯をする。すすいでもすすいでも、水がクリア
にならない。

 なんのことはない。ここの水は元々濁ってるんだ。

 本を読んでると、もう昼だ。

朝までこの宿にいた上智大学の学生さんが忘れていったミカンがテーブルの上。

 もったいないから食べた。うまい。

 市場で蚊取り線香を買って、宿に戻る。

晩御飯はいらないや、そんな気分だったので、ヤクザの宮川さんを誘って、ビールを飲む。

 ショウヘイくんがバガンから帰ってきた。

これからバガンにでも行こうかと思ってるので、宿のこととかいろいろと教えてもらう。

 リョウくんに奥田民夫のCDを借りた。

 宿のみんなから「スペシャル」と言われる3ドルのベッドに戻ると、
1曲目を聴き終わらないうちに眠りに落ちた。

 のんびり。

 しなきゃいけないことなんて、ひとつもない。

ありがたい、ありがたい。

旅は続く。

 

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『愛すべし 人生の道草』  合宿みたいだったな、バンコク。人間交差点だ。

4日

 感じたように感じていい。

思うように思っていい。

行きたいところに行っていい。

 この旅を始める前、3月の終わり、近所の真宗のお寺を訪ねた。

 住職の一言「あんたのしたいようにしなさい」

 この言葉で旅立ちに心が入った。そんなことを思い出した。

 今日はチケットを受け取る日。

ミャンマーの情報も得ておこう。

向こうは情報が少ないらしいから、タイにいるうちにネットや電話で日本にも連絡をしておこう。

 荷物もいらないものを片付ける。

同じ部屋のナカノくんに作務衣のズボンをあげた。ポケットにカンボジアの紙幣も入ってた。

それも一緒にあげた。

 すごく喜んでくれて、すぐに履いてくれた。

ホントにもらっていいんですか?って、そんなカンボジアの赤土まみれの。。。喜んでくれたのがうれしかった。

 15 時、航空券を無事に手にする。

カオサン最後の夜なので、宿の仲間みんなで中華街に行こうってロッキーの提案だったが、雨なのでやめた。

ナカノくん、ロッキー、エビ、リボン、社長、タツヤ、マコト・・・すげー人数になった。

 その夜、宿に入ってきた学生さん2人も巻き込んで、カオサンのライ
ブハウスへ。

 バケツみたいな容器にビールを入れてもらい、この仲間との最後の夜
に乾杯する。

 社長が「前からビール掛けやってみたかったんだよねぇ」と。

 「いいねぇ〜!!よしっ!!今やろう、今!」


 そんなこんなで夜は更けてった。

 愛すべし 人生の道草

 9月5日

 二日酔い…っていうかまだ酔ってる。

シャワーを浴びて朝のカオサンを歩く。

 荷造りをするが荷物が多い。

タツヤくんはこれからインドネシア方向に行くっていうから、あっちのコンセントのアダプターをあげた。

 レックさんのラーメン屋でみんなでごはんを食べた。

なんかゲストハウスのみんなが寄せ書きをしてくれて、エアポートバスの乗り場までこの酔っぱらいを見送ってくれた。

合宿みたいだったな、バンコク人間交差点だ。

 ドンムアン空港でネット。

日本で子供たちはサーカスを観に行ったってさ。夏休みも終わりだな。

日本に電話した。久々に家族の声を聴く。奥さんは相変わらず淡々と喋る。



 6日

今はもう日付が変わって、6日の0時2分。

ミャンマーヤンゴンにいる。

ミャンマーに入るにはフライトしかないから、しゃーないが飛行機の移動は素っ気無いね。実感がない。

国を跨ぐなんて、すげーことなのに、あっさりと行けちゃう。

 ここはトウキョウゲストハウス。日本人経営の安宿。

部屋が満室だったから、食堂の陰に寝かせてもらう。

 スペシャルベッドで1泊3ドル。

ビーマンバングラディシュ航空の機内食は普通に食べられるもんだっ
た。

7年前に乗ったとき、機内食がりんごだった。

 ヤンゴンの空港に着き、なんとなく目が合ったナルミちゃん、アメリ
カ人のJP、韓国人の張さんとタクシーをシェア。

 1ドルで市街まで行く。

普通の国ならバスとかで市街まで行けそうだけど、ここミャンマーにはないみたい。

 とりあえず、宿泊先も移動手段もさっぱり検討がつかないし、予定も
情報もない 「素!」なので、こんな出会いに身を任せるしかない。

 しかもそれが心地いい。

 はじめて来る国、ミャンマー

 ヤンゴンの街の夜、さっき会ったばかりのJPと張さんと歩き、屋台
でヤキメシを食う。


 首都なのに電気がギラギラしてなくてさ、屋台なんてケロシンの明り
でさ、バスには信じられないくらい人が乗ってるしさ、それでいて人は
笑顔で穏やか。

 なんかいい感じのミャンマーだよ。

 やっと動いてきた、旅はこれでないとね♪

バンコクはみんなと一緒で

すっげー楽しかったけど。

人が大好きで、人が苦手。

淋しくなって、また一人になって、また人恋しくなって。

どーしょーもねぇ・・・。旅とかホントにしたいのか、それも分から
ん。

 6日

食堂の隅っこの本棚の裏のスペース。

完全に無風状態で寝れるわけない。

だけど、3ドルだから満足。

ここはみんなが朝食に出てくるところだから、時間になれば起きるし
かない。

プライバシーもへったくれもない。

 JPや張さんが起きてきてケラケラと笑う。

こんなところにホントに寝たのか?と。

 おいおい、あんたらが一般のシングルの部屋に泊まれたのは、誰のお陰だと思ってるのかよ?

 本棚にヴィパッサナ瞑想の本がある。

お粥を食べながら読む。カオサンで出会った坊主あたまの学生さんが言ってたのは、これだな。

 向こうのシングルの部屋には、日本から逃亡してきたMさん。

本物のヤクザ屋さんだということだ。Mさんのおすすめのシャン料理の店で一緒に昼ごはんを食べる。


 話してるとかなりいい人で気が合うようだ。

いつのまにかミャンマー北部の町、バガンに一緒に行こうかって話になる。

親分との旅かぁ、すげえな。

宿に帰って、シャワーを浴びる。

廊下を通り過ぎる時、Mさんの部屋のドアが少し開いていて、中が見えた。すんげー立派な彫り物が背中に。

わお。

 宿のご主人に3日分の宿泊費9ドルを前払いした。

 トウキョウゲストハウス、いいねぇ。

 シュエダゴンパゴダに行き、木陰で昼寝した。

昼間からたくさんの人が集う寺院。

お寺の本来の意味はこういうことなのかもしらんね。


 ミャンマーの時間の流れ。いいねぇ。

 夕飯はナルミちゃんたちと屋台。

ケロシンの明りがキレイ。

 宿に戻り、マネージャーのチョウチョウたちと3時半まで飲む。

 チベットから持ってきたシンギングボールの音はミャンマー人の心を
も魅了した。

ぐわんぐわんになりながら、話す。同じ仏教徒、通じるものがあるのかもしらんな。

旅は続く。