『おかげさま』  旅先で出会ったおっさんが送ってくれた詩


あっちにフラフラ、こっちにフラフラ。

何も考えずに、地面に鉛筆を立てて、

それが倒れて示す方向に旅をするような

2004年の旅の中、

ベルギーユースホステルで出会ったおじさんは、熊本の結構大きな会社の社長さんだった。


そのときは、誰だか知らなかったから、一人旅したくてさ、面倒臭いなぁって思ってたけど、


結局、ベルギーブリュッセルからロンドンまでの道のりを旅して、いろいろな思い出を共有した。


ロンドンの、今思えば、あれは宿ではなく労働者の寄宿舎だったと思えるような宿で、ゴチャゴチャ遊んでることにエラく感心してくれて、今でもお付き合いは続いている。


たまーに突然に来るけど、元気かなぁ?

あの人が偉いのは、自分のことを偉い人だと思っていないことなんだよなぁ・・・。

謙遜とかそういうのじゃなくって、マジで対等に話してくれる。


職場を離れたり、退職してもかつての自分を投影してる人は、老人ホームにもたくさんいた。


ザ・勘違い


高い所から、ぎゃーぎゃー言ってるとしか思えなかったなぁ。


そんなことをしない熊本のおじさんは、そこがすごかった。


家に遊びに行ったら、奥さんができた人だった。


なるほどね!


犬のリリィちゃん、元気?



彼からのメールに添付されていた詩。






ベッドの前に、おかげさまと題した詩が貼ってあります。

『おかげさま』


夏が来ると 冬がいいと言う
冬が来ると 夏がいいと言う
太ると 痩せたいと言い
痩せると 太りたいと言う
忙しいと 暇になりたいと言い
暇になると 忙しい方がいいと言う
自分に都合のいい人は 善い人だと言い
自分に都合が悪くなると 悪い人だと言う

借りた傘も 雨が上がれば邪魔になる
金を持てば 古びた女房が邪魔になる
所帯を持てば 親さえも邪魔になる
衣食住は昔に比べりゃ天国だが
上を見て不平不満の明け暮れ
隣を見て愚痴ばかり

どうして自分を見つめないのか
静かに考えてみるがよい
一体自分とは何なのか

親のおかげ
先生のおかげ
世間様のおかげの固まりが自分ではないか
つまらぬ自我妄執を捨てて
得手勝手を慎んだら
世の中はきっと明るくなるだろう

俺が、俺がを捨てて
おかげさまで、おかげさまでと暮らしたい






さすが・・・。


そんな彼の元に、お金も人も集まってきてて、家族もみんな幸せなのは納得。


出会ったときには、けったいなオッサンやなぁって思ったけど、


今は出会いに感謝してる。


ゲンキンなもんでしょ?(笑)