あれからもう11年も経つ。 読み返すと、11年前の自分に出会う。

11年前に、下関の港から船に乗り、中国の青島へ渡った。

あれからもう11年も経つ。

読み返すと、11年前の自分に出会う。

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2004年4月14日

新山口駅まで2 人の友人がトラックで送ってくれた。下関まで鈍行列
車で行く。


 シーモールアエラを買って乗船。港までLさんが見送ってくれる。


 13 時30 分、出航。船室の窓から手を振るが、気が付かないみたい。

 乗客はものすごく少ない。見渡す限りでは、中国人の3 人家族と日本
人の女性だけ。

 大分から来たというその女の子は中国語を話せる。

中国は4 回目という。

青島での宿探しは楽ができそう!
 アエラの記事に目を通していたが、眠ってしまう。日本のことなんて、どーでもいいことばかりだ。目を覚ますと5 時20 分。オリエント汽船ユートピア号。大して揺れもなく上々。

 食堂でカツ丼を食べる。量が多い。風呂に入って、ビーチサンダルに
履き替える。
大分の人、Yさんと青島ビールを飲む。

 今朝は早く起きて、荷物の点検をしようと思ったけどやめた。入って
くるものが必要なもので、忘れたものはいらないもの。

 こんないい加減でいいのかなぁと思いつつも、そんな自分が好きでも
ある。
 寝っ転がってると、全身にエンジンの振動が伝わる。船室のあちこち
がビリビリと音を立てる。

 眠るでも、覚めるでもない時間。
 意識はあちこちを自由に飛び回る。


 出発のときに、子供が手紙をくれた。

 へたくそな字で「ただいま」と書いてある。

 「いってらっしゃい」って言いたいのだろう。
 はやく帰ってこいって意味か?


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新山口まで見送ってくれたのは、幸昭さんと中村さんだったけな?

下関の港で見送ってくれたのは、リーラさんだったな。

あれからもう11年。

あのときは、27インチのジーンズだったのになぁ。



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2004年4月15日



 よく眠った。船はまだ動いている。


 時計を1 時間戻して、中国の時刻にする。


 朝食はご飯と味噌汁。


 隣の中国人の家族の子供は今日が2歳の誕生日らしい。

ザックにぶら下がっていたネコのぬいぐるみをあげた。右手から左手に移るだけ。


どこにも行かない。


 14 時30 分、青島の街が見えてきた。

 高い建物が多い。

 青島港着。着地ビザ申請の為にパスポートを預けていたため、イミグ
レをなかなか通れない。

 港で出会った下関の年配女性がタクシーに乗せてくれる。

ここには両替所もなにもなく、途方に暮れていたところ、彼女が1 万円を750 元に換えてくれた。かなり助かる。

 同じ船で中国入りしたYさんと今日の宿を探す。

 彼女は中国語が話せるので、かなり楽。

 ドミトリー20 元と言われるが、ドミはかなり狭い。ツインの部屋を2
人でシェアして50 元ずつにする。

 2 人で青島駅に行く。

 彼女は北京行きのチケットを購入。
 街を歩いてレストランを探す。

 魚、アワビ、蟹…かなり豪勢な食事をする。
 注文するにも、言葉が分かる人がいるのでかなり楽。

 青島の港付近を散歩して、タクシーで宿に戻る。
 旅の始まり。金銭感覚もさっぱり分からない。

 いろいろとお世話になったので、食事はおごらせてもらう。

 23 時には「んじゃ、お先に」と寝る。
 楽々な旅だ。


2004年4月16日


昨夜、ATMを見つけてお金を引き出そうとしたが、うまくいかなかった。


 ん〜CITIBANKカード、大丈夫か?今日は中国銀行に行って試
してみよう。

 街を歩いてみたが、ネットカフェらしきものは見当たらない。街の看
板にローマ字ってのがない。

 Yさんにネットカフェにあたる漢字を教えてもらう。


 今日は道教の聖地と呼ばれる山に一緒に行ってみようということに
なった。

 中国にはどのくらいいることになるんだろう?

 彼女は今夜21:30 の便で北京に向かう。

 今朝は包子とゆで卵、2人で3元(約39円)の朝食。

 中国銀行でATMを操作するが、うまくいかない。

 手元のお金がないなぁ。どうなるの?

 歩いていると「ラオサン、ラオサン」と声を掛けてくる人。

 どうやら 1日15元(約195円)で 労山(道教の聖地)まで往
復ツアーをしてくれるらしい。ヒマなので即OKする。

 んで結局1日労山巡りとなる。



 リフトに乗って、山に登り、すんごい暗い洞窟の中を歩いたりする。

 お寺とかお茶やとか宝石屋とか…いろんな土産物屋を連れまわされ、
17時くらいにやっと解放される。


 ネットカフェをみつけて、メールを打つ。

PCのOSは98

 通信速度はものすごく遅い。地元の子供たちで一杯でみんな一心不乱
にゲームをしている。

 日本語の表示がでない。

 夕食は宿の向かいの飯屋で牛粉面と書いてあるものを食う。


 20時、Yさんが駅に向かって出発。

 彼女のおかげで中国初日は助かりました。

 宿で一人でビールを飲みながら、明日からの計画を練るのでした。

 今のところ、問題はお金…現金が手元にない。





もう止められない旅の始まり。