中国人のジョニー、カナダ国籍日本人トムさん、フィリピンのマルちゃんと出会う。
6 月2 日
朝イチでＹＨに行き、アケミちゃんと本の交換をする。
旅先で出会う人と本の交換をすると面白い。
自分では買わないであろう、読まないであろう本が手元にやってくる。
活字に飢えているから、読む。
読んでみたら、かなりよかった・・・なんてことがある。
旅では人との出会いと同じように本との出会いもおもしろい。
チベットのラサでチハルちゃんからもらった「不夜城」が手元を放れ、「すべてがＦになる」という本が来た。
「不夜城」はハードボイルド、「すべて〜」はサスペンス。
どちらも日本にいるときには、手にすることもない。
バスを乗り継ぎ、広州駅へ。
昆明行きの切符を買う。
あまりにもあっさりと買えたので驚いた。
駅の中は外と違って涼しい。
石畳も冷たくて気持ちいい。
切符売り場の石畳の上にしばらく座り込む。
どうしてここにこんなにたくさん人がいるのか、分かった。
別に列をなして何かを待ってるわけじゃないんだ。
ヒマなんだ…。
しかも外は死ぬほど暑く、ここは涼しい。
つまり、みんなおんなじ♪
世の中の役に立とうとか、社会貢献をしようなんて強迫観念をどっか
に追いやって、ボケーッとしてる方がよっぽど世のため、人の為。。
今日はベトナムビザをゲット！
広州には９日間いた。
アケミ、マティアス、ユーイチにも会えたし、そろそろ移動。
６月３日
バス、地下鉄と乗り継いで、広州九龍直通列車に乗る。
何の問題もなく、中国のゲートを通る。一旦、中国を出る。
13:53 香港 ガーデンホステルに入る。
ガーデンホステル・・・よくぞそんなかわいい名前を付けたものだ。
庭も花もないし、窓さえもない。一泊５５香港ドル。
重慶マンションに宿を取るつもりだったが、インド人の客引きに誘わ
れるままにここにきてしまった。
重慶の１Ｆのインド人の店で、オクラカレーとサモサ、ビリヤニを食
べる。40 ドル。
すんげー高い！！
宿代が安いのか。メシが高いのか…複雑な気分やわ。
スターフェリーの港まで行く。
10 年ぶりの香港。
10 年前と全く同じことをしてる。成長もなんもない
わ。
安宿だが、エアコンはものすごく効く。
噴出し口から冷気が白くなって出る。
2 段ベッドが３つ並べば、部屋はいっぱい。
隣のベッドは英国籍の中国人ジョニー。
とっくの昔の有効期限の切れた United Kingdom のパスポートを見せてくれた。
70 歳のおじいさん。
大阪万博の頃は、日本で働き、岡山に住んでいたこともある。
カタコトの日本語を覚えてる。
学生の頃、アルバイトしてたおでんやさんの常連さんにそっくり。
ビールをもらった。
日本にいるときは、本当に楽しかった。
日本はとても好きだとジョニー。
ロレツが回らなくなるほど、酔っ払いながら、夜中まで話をした。
パンツ一丁で涼みながら、ビールを片手。
カップめんをつまみにして。
70 歳のジョニー（中国人）
6 月4 日
Where you from ?
香港の安宿、ガーデンホステル。
同じ部屋に住む日本人から、英語で話しかけられた。
あ、日本人ですけど・・・。
チベットから降りてきた人らしい。
カナダに永住権を持っている庭師さんで、英語名 ＴＯＭさん。５０歳くらいなのにバックパッカーなんて、いいじゃねぇーかぁ！
イケイケおっさんバックパッカー！
ＴＯＭさんとスターフェリーに乗り、セントラルへ行こうとしていた
ときに、
「電話の掛け方、ご存知ですか？」
水玉模様の派手なワンピースの女の子が話しかけてきた。
知るわけないじゃん。
よーわからんうちに、Ｔｏｍさんと3 人でセントラルへ渡る。
スタンレーの海岸までバスを乗り継いで行き、波打ち際で3 人でビールを飲む。
会ったばっかの３人が、昼間っからボケーっと海を見ながらビール。
なんじゃそれ？
まぁ、ええかぁ。。。
女の子はフィリピンから観光で香港に来たマルちゃん。
こっちに親戚がおるらしい。
有名な水上レストランで、すんげー高い夕食。痛い出費だ。何日分の
生活費か・・・。
マルちゃんと別れて、ＴＯＭさんと飲みに出る。
居酒屋で乾杯。
ＴＯＭさんと飲みながら語る語る。
ＴＯＭさんのＬＩＦＥ！
彼は一人でカナダのカルガリーに渡り、暮らしていた。
たまたま行ったバンクーバーで一輪の花を見る。
その季節、カルガリーには全く花など咲いていなかった。
彼の魂はその花に魅いられ、その刹那、彼はバンクーバーに移住を決
めた。
んで、庭師になっちゃった。
勢いだけで生きてる格好いいオヤジだ！！
ひとつの花に生き方を変えられる。
